乳がん

乳がんは、乳房にある乳腺(乳管と小葉から成り立っている)にできる悪性腫瘍の事をいいます。多くは乳管から発生する乳管がん、一部は小葉から発生する小葉がんです。がん細胞が乳管や小葉にとどまっているものを非浸潤性がん、それぞれの周囲まで広がっているものを浸潤性がんとよびます。乳がんは、しこりとして見つかる前に乳房の周りのリンパ節や、遠くの臓器(骨、肺、胸膜、肝臓、脳など)に転移して見つかることがあります。乳がんの種類や性質によって、広がりやすさ、転移しやすさは大きく異なります。

現在、乳がんは9人に1人と言われており年々増加傾向にあります。他のがんと比べ比較的若い世代から注意が必要で、罹患率は30代後半から増加しています。

乳がんはマンモグラフィや超音波検査による検診や自身で見て、触って状態を知ることが大切です。

主な病態および対象疾患

良性疾患

乳腺腫瘍(線維線種、葉状腫瘍、乳頭腫)、乳輪下膿瘍、乳腺炎、女性化乳房症、乳腺嚢胞、過誤腫、肉芽腫、乳腺線維症

悪性疾患

乳がん(浸潤がん、非浸潤がん、特殊型乳がんなど)、悪性葉状腫瘍

当院での診療の特徴

  1. 初診から手術まで1カ月以内におこなっています。術前には全例MRI検査で広がりの診断をおこない、質の高い乳房温存術が可能になるよう工夫しています。乳房切除が必要な症例では、形成外科と協力して乳房再建までおこなうことができます。進行症例やトリプルネガティブタイプの乳がんの場合は、術前化学療法をおこなう治療戦略で臨んでいます。
  2. 乳腺専門医・指導医、乳がん看護認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん薬物療法認定薬剤師らで綿密に連携をとりながら診療にあたっています。
  3. 手術中の乳腺断端診断、センチネルリンパ節生検診断を遠隔での術中迅速病理診断にておこなっています。切除範囲を正確に診断し、追加手術を極力減らすよう努めています。

当院の乳がん等に係る手術等実績

乳腺悪性腫瘍手術乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)26
乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)33
乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの15
腋窩鎖骨下部郭清を伴わないもの3
乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴い内視鏡下によるものを含む)2
単純乳房切除術(乳腺全摘術)1
(2021年実績)

予約専用ダイヤル

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