大腸がん

大腸がんは、大腸(結腸及び直腸)に発生する癌で、腺腫という良性腫瘍のポリープが癌化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。2021年がん死亡数の統計では、男性で2番目、女性では最も多いがんです。大腸の壁の最も内側の粘膜に発生し、徐々に大腸の壁深くに侵入して大きくなります。大腸壁の血管やリンパ管の流れに乗るとリンパ節や肝臓・肺など他の臓器に転移します。さらに大腸壁の外側に露出して腹腔内に散らばったり(腹膜播種)、他の臓器に直接浸潤していきます。

早期の段階では自覚症状はほとんどありませんが、進行すると症状が出ることが多くなります。癌から出血することで血便(便に血が混じる、血の便になる)や貧血になります。がんが大きくなると内腔が狭くなるので便が通過しにくいと、便秘傾向や残便感(便が出きらない感じ)が出たり、液体しか通れないので下痢になったりする便通異常をきたします。他、お腹が張る、お腹が痛い、食事が摂れない、体重が減る、などが挙げられます。

大腸がんが疑われる場合は大腸内視鏡検査をおこないます。大腸がんの診断がついた場合は、がんがどれくらい進行しているか(病期)を評価するため、CT検査やMRI検査などをおこないます。

治療法には、内視鏡手術、外科手術、化学療法、支持療法などがあります。病期や体の状態などを評価したうえで、最も適した治療法をおこないます。

当院での診療の特徴

内科領域

症状のある状態で診断された大腸がんでは、進行しているケースが多くなります。排便時に赤い血が混じっているのを痔(ぢ)と思って放置されていたケースもあります。

進行して肺や肝臓の病変が先に指摘されてから精密検査で大腸がんが診断されることもありますので、症状が気になった場合は早めに消化器科にご相談ください。

大腸内視鏡検査、腫瘍の内視鏡手術などをおこなっています。大腸内視鏡検査は、がん及び前癌病変であるポリープの発見精度に優れており、ポリープを切除することで大腸がんの死亡率が減るほか、ごく早期の段階であれば内視鏡手術で治癒が望めます。

また早期の段階では症状がほとんどありませんが、検診やドックでの便潜血検査で陽性になった場合も、速やかに精密検査である内視鏡検査をご相談ください。

外科領域

内視鏡的治療の適応外の早期大腸がんから進行がんまで腹腔鏡下手術を積極的におこなっています。
進行大腸がんに対しては、手術を選択し、術後病理組織診断にて主にStageⅢの症例では、術後補助化学療法をおこない、Stage Ⅳ症例や術後再発症例については、化学療法をおこないます。 近年の化学療法の進歩から奏功例も多くなっています。

当院の大腸がん等に係る手術等実績

開腹手術19
腹腔鏡手術57
内視鏡手術15
(2021年実績)

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